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長引く腰痛について―強直性脊椎炎とは―

強直性脊椎炎は一般的な腰痛とは異なり、放置していても症状は改善しません。
まずは原因や症状・治療を知ることが大切です。

強直性脊椎炎の診断と治療

診断のための検査強直性脊椎炎の診断には、一般に画像検査や血液検査を行います。

  • 1.画像検査

    X線による画像検査が中心で、腰の周辺を撮影します。仙腸関節(せんちょうかんせつ)と呼ばれる関節の様子(関節のすきまの程度や、骨の状態)を観察します。CTやMRIによる検査が行われることがあります。

    仙腸関節炎のX線検査について
  • 2.血液検査

    強直性脊椎炎に関連があると言われている、白血球にある抗原のHLA-B27という因子の有無を確認したり、炎症の程度を把握するためにCRPというマーカーを調べることがあります。

診断

長引く腰痛があり、炎症性腰背部痛の基準を満たした場合、
強直性脊椎炎の可能性が高くなります。
強直性脊椎炎の診断には、通常はX線などの画像診断、背骨や股関節の動きを
調べる検査、さらに白血球の型や炎症の程度を調べるための血液検査を行い、
強直性脊椎炎の分類基準を参考に、鑑別診断を除外したうえで診断されます。
一般的には、改訂ニューヨーク基準という分類基準が用いられます。

治療

強直性脊椎炎と確定診断されると治療が始まりますが、
強直性脊椎炎は現代の医学では根本的に治すことができません。
痛みを抑えながら積極的に体を動かすことで痛みを軽くしたり、
脊椎や関節の動きに制限がかからないようにして、
こわばり感を抑えることが期待できます。強直性脊椎炎の治療は、
薬剤による治療や運動療法などが推奨されています。

投薬による治療

  • 第一選択薬

    ・非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)

  • 一部の末梢関節主体のケースで
    有用な場合もある薬剤

    ・サラゾスルファピリジン
    ・ステロイド薬(局部注射)

  • 激しい炎症・疼痛が続き、生活に著しい
    障害のあるケースで適応となる薬剤

    ・TNF阻害剤
    ・IL17阻害剤

    ・JAK阻害剤

難病情報センター 強直性脊椎炎(指定難病271)
(http://www.nanbyou.or.jp/entry/4848 2022年10月25日確認)
ACR SPARTAN治療推奨2019
Ward, Michael M et al. Arthritis & rheumatology; 71,10 (2019): 1599-1613.

強直性脊椎炎チェックシート

[ASDAS],[BASDAI],[BASFI],[BASMI]の4つの指標から
強直性脊椎炎の状態を測定し、判定することができます。

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