特異的腰痛(原因がはっきりしている腰痛)
医師が診断する主な腰痛には以下のようなものがあります。

よくある腰痛
その1. ぎっくり腰
椎間板などの腰の組織のケガであり、医療機関では腰椎捻挫(ようついねんざ)または、腰部挫傷(ようぶざしょう)と診断されます。

その2. 椎間板ヘルニア
椎間板が突出あるいは脱出し、座骨神経の始まる部分である腰の神経(主に神経根)が刺激されることにより症状が生じる疾患です。
太もも外側から下腿の外側に症状が放散します。一般に右か左の片方に起こります。
若年〜中年層で起こる頻度が高くなっています。医師の診断により確定できます。

その3. 腰部脊柱管狭窄症
腰骨(腰椎)が年齢とともに変化し、腰の神経(神経根および馬尾(ばび))が圧迫されることで起こります。
一般的に、両側の太ももや足に、痛みやしびれ感、麻痺(脱力)が起こります。
歩いている途中で一次的に歩けなくなるといった間欠跛行(かんけつはこう)などが代表的な症状です。

その他の腰痛
炎症性腰背部痛
腰痛の中には、炎症が原因となっているものがあります。
結核菌を含む細菌による背骨や骨盤の感染による腰痛(感染性脊椎炎)もありますが、そのほかに、長引く腰痛の原因の一つとして強直性脊椎炎があります。

JAMA 1992; 268: 760–765 2023年10月16日時点を参考に作成
長引く腰痛があったら・・・
病院に行っても、ぎっくり腰、椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などと診断されなかったものの、
長引く腰痛がある場合、炎症が原因となっている可能性があります。
特に、以下のような症状があり、気になるようでしたら、セルフチェックで確認してみましょう。
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起床時の体のこわばり(寝た姿勢からすぐに起き上がれない、起き上がっても、1歩踏み出すのに時間がかかる)
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殿部・腰・背中の痛み
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腰を曲げられない、伸ばせないまたは、じっと座っていると殿部・腰が痛くなる
