長引く腰痛セルフチェック

日常生活のヒント

強直性脊椎炎を発症した場合で、普段の生活の中で気を付ける点について紹介しています。

強直性脊椎炎の患者さんへ

日常生活のヒント

強直性脊椎炎を悪化させないために、日常の中で役立つ様々なヒントをご紹介します。

姿勢・動作のヒント

ストレッチ・体操は、最も基本的な治療として毎日励行することが勧められています。

  1. 脊柱を常に真っ直ぐにしましょう。真っ直ぐかを確認するために、壁を背中にして立つことや、右の図のように両腕を上げて伸びをしましょう。鏡や窓に映った自分の姿をチェックしてみましょう。
  2. 長時間、同じ姿勢をとり続けたり座り続けないようにしましょう。できるだけ、体を動かすように心がけましょう。
  3. 急激に体を動かさないようにしましょう。
  4. 体で動くところは、すべてをまんべんなく、毎日必ず動かすようにしましょう。
  5. 毎日、数回、必ず深呼吸をしましょう。胸郭の拡張が制限されるのを予防するためです。腹式呼吸よりも胸式呼吸を意識しましょう。
  6. 朝起きたら、まずは脊椎のストレッチをします。体を前後、左右に傾け、また、右や左に回転させ、胸式呼吸をして、その後、首を前後、左右に傾け、回転させてください。
  7. 体を動かして朝のストレッチが終わったら、体操などで体を動かしていきます。
  8. 毎朝・毎晩20分ほど、うつ伏せになり、伸びをしましょう。
    起床時、就寝時にベットの上で行いましょう。
  9. スポーツは積極的にしましょう。ただし、骨病変が進行した方は、頸の骨が折れ、脊髄損傷をきたしやすいので、格闘技やコンタクトスポーツは必ず避けてください。
姿勢・動作のヒント

普段の生活のヒント

  1. 過労を避け、無理をしないようにしましょう。
  2. 胸郭拡張制限を予防するため、胸式呼吸を行いましょう。また、関節炎は喫煙によって確実に悪化するので、禁煙が必要です。
  3. 脊椎や関節に負担をかけないために、できるだけ体重を増やさないようにします(肥満により炎症物質が産生され、疾患の悪化につながることが指摘されています)。
  4. 体はあまり冷やさないように、できるだけ暖かくしましょう。
普段の生活のヒント

就寝時のヒント

  1. 就寝時はできるだけ、仰向きで寝ましょう。
  2. ベッドは、可能な限り平らで、ある程度の硬さのあるものを選びます。
  3. 枕は、可能な限り硬く、低いものを選びます。
  4. 横向けに寝るときには、耳の下に小さな枕をして、首が曲がらないようにしましょう。
  5. 体が曲がらないように、厚手の柔らかい掛け布団を使うようにしましょう。
就寝時のヒント

入浴のヒント

  1. 入浴は、心身ともにリラックスできます。そして、血流を良くして、痛みを和らげ、筋肉のこわばりを軽減します。また浮力を利用して、普段できないような運動もできますので、リハビリという点からも勧められます。
  2. あまり熱くないお湯にゆっくりつかるようにします。
  3. ただし、長風呂は疲れが残りますので、控えましょう。
  4. 入浴後にストレッチを行うことが効果的です。
    欧州では、温泉・体操療法が行われています。
入浴のヒント

普段使う椅子を選ぶときのヒント

  1. クッションが硬いものを選びましょう。
  2. 下に向かって傾斜が5度程度あるものを選びましょう。
  3. 背もたれが真っ直ぐで、適度なパッドがあるものを選びましょう。
  4. 適度な幅と高さで楽な、肘かけがついたものを選びましょう。
  5. なるべく、頭が支えられるほど高い背もたれがついたものを選びましょう。

※軟らかすぎたり、低すぎるソファーは避けるようにします。

普段使う椅子を選ぶときのヒント

自宅でのヒント

  1. 健康器具の購入は慎重にしましょう。医師に購入してもよいか相談してください。
  2. 洗面台、調理台、スイッチ、ハンドル、ノブなどは、体を曲げないですむような高さに設置します。
  3. なるべく手押し車を使い、重いものを持つことをできるだけ避けるようにしましょう。
  4. 家の至るところに、適度な高さの手すりを付けるようにしましょう。
  5. 風呂場では滑らないように、マットを敷いたり、手すりを付けましょう。
    軽微な外傷で脊椎の骨折が起こり、頚髄損傷を起こすので、転倒しないように手すりにつかまるように心がけましょう。
  6. バスタブは軽くまたげる高さで、浅めのものにしましょう。(ある程度、埋め込まれたものがよいでしょう)
自宅でのヒント

自動車の運転・外出時のヒント

  1. 首や体を回すことが制限されてきたら、事故の危険性を考えて、自動車やバイク、自転車の運転は避けることが望まれます。
  2. ただし、ワイド型の室内バックミラーや、フェンダーミラーの上に側面が見える凸面鏡を装着するなどの工夫をすれば、自動車運転が可能になります。軽微な外傷で頸椎の骨折が起こり、頚髄損傷を引き起こすことが多いので、衝突時に備えて、適切なネックレスト、バックレストを備え、かつ、3点式シートベルトを締める必要があります。
  3. 事故などに備えて、自分が強直性脊椎炎に罹患していることや、病状、普段服薬している薬剤名を書いたメモを免許証と一緒に、あるいは財布の中に入れて持ち歩くようにしましょう。
自動車の運転・外出時のヒント

出典 日本AS友の会:http://www5b.biglobe.ne.jp/~asweb/QandA/tebiki/tebiki9.html#Q312023年10月16日時点を参考に作成


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